マドンナは社長秘書室勤務



「あの人と付き合っていた時はまだ高校生で、大人なあの人と釣り合いたいって思うばかり大人に見られたくて無謀な背伸びにも疲れてたし。それはこっちだけではなくあっちもだったんだと思う。円満破局って言ったら可笑しいけど、たまにこっちに来た時なんかは社長室に御茶だしする時に会うけど気まずさなんて一切ないもの。それどころか元気?って普通に会話するわ」


阿室さんの恋愛模様はとても大人で、まるで小説や映画の話を聞いているみたいで。

私と阿室さんはこんなにも違うんだと実感した。


「だから社長の今までの苦労も知っているって事。幸せになってほしいと思ってるから社長のロマンスにも敏感になっちゃって、日和ちゃんの存在についに社長も!って勝手に盛り上がってたの。なにも社長を進めて付き合えば?なんて言わないけどね」


にっこりと笑みを浮かべた阿室さんはおちょこに残っていた日本酒を飲み干す。


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