マドンナは社長秘書室勤務
「それは私が社長秘書室勤務をしていて田神社長と関わる機会が多いので。それに訴えようかなと思わなかったわけではなく本音を言えば…。訴えるとなるとかなり大変なんです。過去に何度か警察沙汰になる事があってその度にされた事を明確に話したりそれこそ現場検証したり。そんな事をしていると、いつの間にかその出来事が近所の人や同級生が知っていて私を可哀想な人だと見てきて。私はそれが何より苦痛でした。だから今回もしも田神社長を訴える選択をしたら今まで以上の苦痛を体験する気がして、そうならない為にも逃げました」
それは田神室長に伝えなかった田神社長を訴えたくなかった本当の理由。
「話してくれてありがとう。そんな辛い事口にしたくないでしょう?」
「阿室さんだったので…。でもそうではなかったとしても私には田神社長は訴えられなかったと思います」
「それは特別?」