マドンナは社長秘書室勤務


「所で田神社長。私に話ってなんですか?」


本題からずれていた事に気が付く。


「ここにいてくれ」

「はい?」

「定時まで仕事せず此処に居ろと言っている」


意味が分からない。

何故、居なくちゃいけないのか理由を知りたい。


「顔色が悪い」


けれどその理由はそんな田神社長の言葉で知る事になった。

だから、なんだ。

いつもよりファンデーションを厚くしても顔色が悪いと分かってしまう田神社長。

体調が悪いと思いここで私を休ませようと思ってくれた田神社長。


「ありがとうございます。でも体調を崩してるわけではないので。お気遣いありがとうございます。心配するなら田神社長自身を心配してください。顔がやつれてますよ」

「寝てないからな」

「寝る時間がないほど忙しかったんですね」

「いや、寝れなかった。榛原に嫌われたと思えば想うほど寝れなかったんだ」



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