マドンナは社長秘書室勤務
「監視役の提案をしたのは田神室長です」
「そうなの?でもまあ、よくよく考えたら社長がそんな上手いこと思い付くわけないわね」
「阿室さんって結構言いますよね」
「言うに決まってるじゃない」
そんな阿室さんが私は大好きだ。
「いい香りね~」
「はい」
「この一杯で私達の飲む珈琲豆一袋分より高いのよ。きっとこの香りだけでも8杯分の価値があるんじゃないかしら」
如何にもな袋にはいっているから高いとは思っていたけれど其れほどまでとは思わなかった。
だって私達が飲んでいる珈琲豆だって、普通にスーパーで売ってるものよりも高価なもの。
「淹れ方これであってます?怖くなってきました」
「大丈夫よ。日和ちゃんが淹れたって知っただけで社長はいつもと比べ物にはならないくらい美味しく感じるはずよ。なんだったら私達用のやつ持っていったらどう?社長のは半分こして飲めるし」