マドンナは社長秘書室勤務


「すみません。邪魔をしてしまって」

「大丈夫ですよ。社長はいじけてるだけでけして榛原さんを邪魔だとは思っていませんよ。社長は子供ですから榛原さんが自分にだけ用意してくれたと喜んでいた中で私にも用意してくれた事を知りいじけてるだけです。その上自分は口下手…」

「おい、それ以上言うな」

「どうやら図星の様です」


そんな会話をする田神社長と田神室長はただの従兄弟に見える。

なんだか…。

田神室長の方が強いのでは?と思う。


「お前なあ!」

「社長、榛原さんが怯えますよ。また嫌われたいのですか」


全く…、と田神室長はやれやれと言わんばかりに頭を振った。


「外まで送りましょう」

「大丈夫です」

「いえ、送らせてください」


そんなわけで田神室長と社長室を後にする事になった私。

社長室を出る前、田神社長がうずうずしていた姿が見えた。



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