マドンナは社長秘書室勤務
□06




久しぶりに見たその夢。

夢の中で私は中学生の制服を着ていて、当時好きだった人がこちらに背を向けながら会話をしていた。


「やっぱ榛原さんだよなー」

「そりゃ、うちのマドンナだからな」

「榛原さんってフリーなんだろ?誰か行けよ。オマエいけよ」

「むりむり。榛原さんみたいな美人と付き合えるわけねーよ。つかーー」


夢の中でもその人はあの時と同じ言葉を口にする。


「付き合ねえし、付き合いたいって思うやつこの世にいねーだろ」

「ひど!」

「いや、マジだって。付き合ったら誰かにソッコー殺されるって。マドンナは誰かのものになっちゃいけねーの。隣の席になっただけで次の日靴ん中にカッターいれられた俺が言うから大マジ」

「こえー。たしか修学旅行の時もさ榛原さんの横にいたやつが地元のやつにボロッカスに言われて凹んでたよなあ。榛原さんの横歩きたくないって泣いてさ」


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