マドンナは社長秘書室勤務


「実際問題榛原さんって可哀想だよな。モテんのに」

「次元が違うからしかたねーって。俺ら平民には手は届かないー」

「のわりには痴漢とかすごいって聞くぜ?夏も変質者が公園で現れたって全校集会になったろ。あれの被害者って」

「そりゃー、触りたくなるだろ。俺だって榛原さんと付き合いたくねーけど普通にヤりたいし触りてーよ。服のままでも動かなくてもガンガン立つ自信ある」


ゲラゲラと会話を続ける彼らに呆然と立ち尽くす私。

ああ、やっぱり。

男の子という生き物はこうなんだ…。

私の中で芽生えていた小さな恋愛感情は崩れ落ちていく。

そして景色はがらりと変換され次は高校の制服を着た私がいた。

場所は校舎裏。

目の前には男性不振に陥っていた私が、この人ならと思い密かに思いを寄せていた人。

夕日に照らされるカレは顔がはっきり見えない。

でも…


< 74 / 106 >

この作品をシェア

pagetop