決断は一瞬、後悔は一生
午前の授業があっという間に終わり、今は昼休み。
「あー、腹減った」
そういいながら俺は周りの奴らと購買に向かう。
「ねぇ、結城くん?」
俺の隣を歩いてた沢良宜が俺の裾を引っ張って立ち止まった。
「どうした?」
「私、お弁当作ってきたから、一緒に食べない?」
可愛い甘え声でそう言ってくる沢良宜は俺を見上げた。
お弁当か。お弁当なんて親は作ってくれない。
俺も作れないし。
だから、毎日購買で買ってたけど。
「いいや、購買に行く。みんな行くらしいし、な?」
俺は振り返ったけど、みんなはいつの間にか居なくなっていた。
「みんな、先行っちゃったし、今日お弁当つくりすぎたから残すのもったいなくて」
沢良宜が裾を力強く引っ張った。
「ダメ・・・?」
普通、ここで多分男らは「可愛い」とか思うのかもしれない。
けど、俺は美雨がいるから。
ほかの女のことなんて可愛いとも思えない。