決断は一瞬、後悔は一生

「私、もう限界。話したくても話せない。辛い。あと結城くんには瑠凪ちゃんがいるから・・・」


沢良宜のことがどうしたんだよ。

俺はお前しかいねーんだよ。

俺はもう我慢できなかった。


「美雨」

俺は部屋に入って美雨の名前を呼んだ。

久しぶりに名前をよんでなぜか急に恥ずかしくなった。





「な、なんでここに・・・?」

美雨は目を丸くして俺に聞く。


「ごめん、ずっと話聞いてた」





叶芽は「私、邪魔だね」と言って、部屋を出ていった。


部屋には俺と美雨の二人きり。



こんなこと初めてで、頭が真っ白になる。

何話せばいいのかわかんねー・・・。



「・・・・あのね、結城くん」



沈黙を破いたのは美雨だった。



「私、ずっと結城くんのこと好きだったよ」


美雨はなにかを決心したという顔で言った。



俺は美雨を見つめて頷いた。



「ずっと前から好きだったの」


美雨は、今にも泣きそうな顔をして話し続ける。



「結城くん覚えてないかもしれないけど、中2の時、隣の席で私が友達を作るきっかけを作ってくれたのも、私を笑顔にさせてくれたのも、私に元気をくれたのも全部、結城くんだったよ」



それは・・・

「俺もだよ」


「えっ・・・?」

美雨が俺の瞳をまっすぐ見て、首をかしげた。

< 30 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop