決断は一瞬、後悔は一生
私は後悔なんてしたくない。
だから結城くんと話したいっ!
私は結城くんに近づいて声を掛けようとした。
息を飲んで声を出そうとしたとき―。
「結城くんっ!」
私より一歩先に結城くんの名前を呼ぶ声が聞こえた。
そっちに目を向けると。
目が大きくて顔立ちがキリっとしているロングヘアの茶髪の女の子が結城くんの腕に両腕を絡めていた。
その女の子、沢良宜瑠凪ちゃんはみんなに好かれてて本当に素直に可愛い子だと私も思う。
でも、瑠凪ちゃんの嫌なところが一つだけあった。
それは、いつものこと。
今だってそう。
結城くんの腕に自分の両腕を絡んでるところをよく見るからそれは私からして嫌だった。
私が彼女なのに。
そう思った瞬間、胸がチクッと痛んだ。
結城くんのことを好きになってから胸が痛くなったり苦しくなったり。
これを恋っていうのかな?