決断は一瞬、後悔は一生

私は何も言い返せなかった。


結城くんの方に視線を向けると結城くんは私を驚いたような目で見ていた。



結城くん何か言ってよ。


なんで何も言ってくれないの?


結城くんは瑠凪ちゃんのじゃないでしょ・・・?



私が戸惑っていることに瑠凪ちゃんは気づかぬふりして言う。


「まさか、結城くんのこと好きじゃないよね?」


ここで好きって言っていいのかな。




好きって言いたい。




でも怖い。


怖くて足が震える。



「好きだとしても私のほうが何倍も好きだからっ!」


瑠凪ちゃんは教室中に響く声で結城くんに告白した。



こんなに堂々と告白できるのなら私もしたい。


瑠凪ちゃんはみんなに好かれてて本音をすぐ出す女の子でモテる性格と顔で、瑠凪ちゃんのほうが結城くんに私より釣り合ってることなんてわかってるけど・・・。



でも私も結城くんを想う気持ちは誰にも負けない。


結城くんは瑠凪ちゃんの肩にポンッと腕を載せた。


「ありがと。俺すげー、うれしー」



結城くんは瑠凪ちゃんに満面の笑顔を見せた。


私に向ける笑顔より眩しい笑顔だった。


なんで?



瑠凪ちゃんと結城くんは近距離で笑い合っていた。


なんで私の前でそんなことするの?


結城くんは私の彼氏じゃないの?




私へのあてつけ?


結城くんはそんな人じゃないと思ったのに。


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