決断は一瞬、後悔は一生
しばらくして美雨が教室に戻ってきた。
「美雨、どこいってたの〜?心配したんだよ?」
叶芽が不安そうな顔で美雨に聞いた。
「・・・ごめんね、ちょっとトイレ行ってた」
美雨はきっと泣いたんだろう。
目が腫れていて赤くなっている。
俺のせいだ。
「美雨ってば、そんな嘘ついても分かるよ?泣いてたでしょ?」
叶芽も気づくに決まってる。
美雨は嘘が下手だ。
「泣いてないよ?」
美雨は目を片手で擦りながら言う。
「花粉症がやばくって目をこすってたら、目が赤くなっちゃった」
「そっか」
叶芽は多分、干渉するのは良くないと思ったんだろう。
叶芽は「はぁー」とため息をついて美雨の頭を撫でた。
「何かあったらいつでも言ってね?」
「うん!」
やべーな、俺。
女にまで嫉妬してる俺って。
思ってる以上に独占力強いかもしれねーな。
美雨はもう、俺のこと見てくれねーのかな。
そんなのどれだけ辛いんだろ。
思っている以上にきっと辛いだろうな。