決断は一瞬、後悔は一生
【美雨side】
「美雨、今日は一緒に帰ろっか」
えっ?
珍しい。
優翔くんが帰りを私に誘ってくれるなんて。
優翔君と付き合ってから2ヶ月。
なんだかんだ、優翔君の塾の日とか私の部活の日とかで予定が合わなくて、そういえば一回も一緒に帰ったことがなかった。
「いや?」
心配した顔で、優翔君が私の顔を覗き込む。
「いやじゃない」
いやなわけないよ。
「よかった」
優翔君がホッと安心した顔で笑った。
私に向けて笑ってくれる顔も、私のことを心配して、不安そうな顔も、授業をきちんと受けてる時の真面目の顔も、全部、大好き。
こんなこと言えないけどね。
「じゃ、帰ろっか」
夕日の下にいる私たちを夕日の光が、明るく照らす。
いつもと同じ夕日のはずなのに、今日は特別眩しく輝いて見えた。