story~出逢いの奇跡~
その安堵は直ぐに恐怖に変わってしまった。

「俺が家まで送る。」


住職や佑樹君のお母さんからも危ないからと言われ、しょうがなく佑樹君に送って貰う事に。


「後で親が車届けるって。」


「そうですか・・・。」


あんな事があった後だから2人だと気まずい。

でも気づいて無いんだよね。


「てか何であんな事したの?あんな事で死ねると思ってるの?」


それは唐突だった。
気づいて無かったはずなのに。


「あんな事って何ですか?私、何もしてないですよ。」


「気づいてないとでも思ってる? 瑞紀わざと手切っただろう。死にたいんだったらあれじゃあ死ねないぞ。」



気づいてたの。
これで私の人生終わりだ。
もう、まともな人生送れない。

「わざと切る訳無いですよね。そんな痛い事私には出来ない。」

ここは知らない降りをするしかない。
これ以上バレたら1人暮らしも蓮との思い出も無くさなくては行けない。
そんなの嫌だ。
蓮との思い出だけは・・・。




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