三本串
映画館を出ると、辺りはすでに暗くなりはじめていた。


『夕飯食べて帰ろっか?』


『うん!行くー』

文太はとにかく全快

『どこ行く?父ちゃん決めて』

『マジ? じゃ 視察含めて 流行ってる居酒屋いこーぜ』


『いいね、行こっか?』

珍しく良雄の提案が通り三人は、駅前の人気のお店に向かった。


お店に入り

『乾杯!』

良雄はビール、 華子は帰りの運転があるため烏龍茶、 文太は 子供ビールにご満悦。


『あの皿いいね、あ このサラダ旨いよ』

などなど ご託を並べながら 焼酎三杯目

『あんた、只単に呑みたいだけだったんじゃない?』

『勉強 勉強』

文太が

『母ちゃん、マグロの刺身頼んで』

ご飯片手に。

『また?』

どうやら二皿目

『この野郎、焼き鳥屋の息子が なんて刺身の食いっぷりだ』

『父ちゃん旨いよ、僕マグロ一番好き!』


『う う 裏切り者!』

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