三本串
二人が車で待つこと五分位


その五分で 眠気が誘う


虚ろな目でコンビニの方を見る良雄


雨が強く降ってきた その向こうに華子が見える


こっちに 走り初めた

キィーッ


けたたましいブレーキ音と

ガンッ


と なんとも言えない衝撃音


華子が視界から消えた

良雄は 一瞬で酔いが覚め 車を飛び出した

『は 華子ー』


靴が飛び 買い物袋と一緒に散らばっている

『う う ぅ』


唸り ぐったりしている華子


抱き抱え

『しっかりしろ しっかりしろ』

パニックになっている良雄が華子に呼び掛ける


雨の冷たさも 周りの状況も、まったく良雄には感じていない

ただ 最悪の事態からは逃れられるように神だのみしながら華子を抱きしめていた。


まもなく 夜を切り裂くように 救急車の音が近いてきた。
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