三本串
病室に入るとベットの上に華子は上半身だけ起き上がって座っていた。

『母ちゃん!大丈夫?』

文太が走りこんでいく

『あ 文太 大丈夫よ びっくりしたね』


『うん 僕 母ちゃん死んだかと思ったよ』


『本当 怖かった 』


『ねぇ 足痛い?大丈夫?』

文太が心配そうにたずねる

華子は チラッ と良雄を見てから

『うん 大丈夫 心配しないで 明日から学校行きなさいね』


『うんっ』


華子はどうやら先生から聞いた様子


『文太 母ちゃんにジュース買ってきて 下に売店あったじゃんか』

『うん 何でもいい? じゃ いってくる』


お手伝い気分で文太が売店に向かった


『華子、大丈夫か?』

『うん 足以外は 打撲程度だって』


『足 どうだ?』

良雄は恐る恐る聞き出す。


『どうって 全然感覚ないの 駄目かもね』

『何言ってんだ 先生は治るって とにかく諦めないで なっ?』


『うん しばらく こんなんだけど 大丈夫?』


『家や店は 心配すんな 文太も学校ちゃんと行かせるし お前は 身体に専念してくれ それが皆の為だから』

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