三本串
次の日 8時過ぎ

文太が手伝いを 終え家に入るころ


頬に痣をつくり 何やら息の荒い邦夫が店に入ってきた


『良雄 昨日はすまん、 ビールくれ』


何も言わず ビールをだす


『お前を 起こしちゃ悪いから 文太学校行く時 一緒にでたんだ』


何もなかったように邦夫は話す


しかし 何かおかしい

長年の付き合いで良雄には分かる。


『お前 何か おかしなことに足突っ込んでんじゃないか? ムチャすんなよ』


『え 大丈夫だよ』


目が泳いでいる


その時


ガラガラッ


いかにも って感じの三人組が入ってきた


邦夫が立ち上がる


『ここに いやがったか 表でろっ』


三人組は 凄んで邦夫を連れ出そうとした


カウンターにいた常連客も 驚いている


何やらトラブルなのはすぐに分かった


邦夫は もみくちゃになりながら抵抗している


やはり こういうことに・・


良雄は嫌な予感が的中した


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