三本串

カウンターの端で 隣のスナックのママが飲んでいた


『ママ ちょっと 店頼むよ』


そう言って前掛けをはずし


『おい お前ら 止めろ 他の客に迷惑だ 表でろっ』


良雄が三人組と邦夫を外に出した。


外に出ると


『邦夫 何があったんだ なんだこいつら』

良雄は邦夫に強い口調で怒鳴る


何やら 邦夫は都合悪そうに黙っている


すると

『おい あんた 関係ねぇから 引っ込んでろっ』


リーダー格の体格のいい男が肩をつく


『そうは いかねぇな こいつは ウチの客で 俺の友達なんだ 何があったか知らねぇけど今日は これで帰ってくれ』


『はいそうですかって帰れるか コノヤロ』
もう一人が良雄に つっかかる


『なんだと？』


低い声で良雄は睨んだ

既に その顔は昔のヤンチャ時代の良雄の顔になっていた