三本串
次の日 9時頃起きて台所を見ると文太が朝ご飯を食べ学校に行ったあとがある


顔を洗い良雄もパンにありついた


珍しく朝からさっさと動き出かけていく


行き先は華子の所


少し元気がない


今まで育児で悩んだことがなかった自分に気付き初めていた


果物を途中で買い病室に入った


『おはよー』


リハビリに行く前だった華子はいつもより早い良雄の見舞いに驚いた。


『はやっ どうしたの』


『おぅ どうだ 足の様子』


『感覚が毎日戻ってきてるの リハビリもやりがいあるわ』


『そっか』

良雄が嬉しそうに笑う

『昨日 文太来てたんだって? アイツ何か言ってたか?』


華子は良雄の悩みを勘づいていた


『ふふ 来てたよ いろいろ話して行ったわ』

『そっか で 何話たの? 』


果物を剥きながら良雄が聞く


『珍しく弱気ね 疲れてんじゃない? 無理しないでね』


『いいから 何話たの!』


イラついてきてる


『ふふ あの子なりに 考えたり 頑張ったりしてんのよ あんたもドンとかまえて あの子の好きにさせな』


ニコリと笑って華子が言う



『だ だけどよ 』


言いかけた上から


『あの子なりに私達の理解してんのよ お店手伝ってる時があんたと一緒にいれて楽しいの 勉強も遊びもしっかりやるから大丈夫だって ねっ』


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