俺の恋した生徒は…《先生×生徒》
私たちはこの時間使われてない音楽室でサボることにした。
「ごめんね、心配かけて…」
朱莉には先生のこと話してもいいかな。
「あのね、私…」
「美桜も加賀美先生のこと好きなんでしょ?」
「え、なんで…」
私まだ言ってないよね、
「見てれば分かるよ」
「…さすが朱莉だね」
「だっていつも目で追ってるじゃん」
バレてたみたい…
私は朱莉に、担任だって知った時から憧れていたこと
面談の時に好きになったこと
こないだ番号を教えてもらったことなど、全てを打ち明けた。
「それって…脈ありなんじゃないの?」
「ええ、そんな!だって加賀美先生は教師なんだよ?」
「教師って言ったって、学校から出たら1人の男性だからね」
「いや、でも…」
「だって携帯番号って生徒に教えていいものじゃないでしょ」
「まあ、みんなには秘密って言われたけど…」
でもそれは私がいつも悩んでるから心配して教えてくれた訳で、特別な意味はない…と思ってた。
「あ、もちろん誰にも言わないから安心して!高畑さんに知られたら大変だし」
とか笑いながら言うもんだから、
なんだかさっきのことなんかちっぽけな事に思えてきて私もつられて笑った。
「私、協力するよ!だからなんでも言って」
「朱莉…本当にありがとう!でも私、付き合いたいとかは、」
″考えてないんだ″
そう言おうとした時、
「おい、」
えっ…
「うわっ!噂をすればっっ」
「なんだ二宮、俺の悪口か?」
ドアの前には加賀美先生が立っていた。