俺の恋した生徒は…《先生×生徒》
「失礼します」
1人の生徒の声に先生達の視線が集まる。
そしてその視線は徐々に俺の方に近づく。
「先生、おはようございます」
「おう、楠木。久しぶりだな」
「今年も先生のクラスで良かった〜」
なんて言う楠木は、さすが芸能人、
といった感じの可愛らしい笑顔を俺に向ける。
「3年はクラス替えないからな。まあ今まで通り何かあったら相談してこいよ」
「はーい!」
「みおッッッ!!!」
急に職員室に響き渡る声。
「あ、朱莉〜〜!!」
「美桜久しぶりー!!!」
そう言って楠木に抱きついているやつも俺の生徒。
二宮 朱莉(ニノミヤ アカリ)
楠木の親友。楠木がこの学校を選んだ理由は恐らくこの二宮が居るから…だと俺は思っている。
「おい二宮、ここ職員室だぞー」
「先生ごめん、だって久しぶりだったんだもんっ」
そう嬉しそうに話す二宮。
「ほらあと少しで午後の授業始まるぞ」
「はーい。美桜、いこ!」
「…うん」
久しぶりの学校に不安そうな楠木を見て思わず…
「楠木!」
「…はい?」
あ、やべ
つい名前を呼んでしまった。
「あー、授業…頑張れよ」
「はい!ありがとうございますっ」
なんて笑顔で答える楠木、
きっと無理して笑ってる。