王様と黒猫
でも、この王様――――おもしろい。
友達になってくれなんて頼んでくる王様は、きっと彼しかいないだろう。
「で、どうなんだ、シオン? いいのか? だめなのか?」
真剣な顔をしてそう聞いてくる陛下に、私はますます笑いが止まらなかった。
子どもみたいな王様。
――――私はきっとまた、逢いたくなる。
ひょんな事から気に入られてしまったようだが、私もまた陛下に逢いにお城へ来たいと思った。
ソファーの上でくつろいでいる黒猫シオンは、自分の事も忘れるなとでも言うように、あくびをしながらにゃーと鳴き声を上げていた。
◇◇◇