王様と黒猫
もう食べ終わったのかと驚くうちに、彼女は四つ目の飴を物色している。さすがにそれは食べすぎだろうと思い、背を向けたままの彼女に歩み寄り飴の瓶を取り上げた。
「ちょっと! 返してよ!」
「だめです。食べすぎです。それに、そろそろ仕事に戻ったらどうですか?」
飴の瓶を追ってやっとこちらへ振り向いたソフィアの眉は、まだ機嫌悪く歪んでいる。
はいそうですかと、素直に仕事に戻るとは思っていなかった。しかし意外にも素直に言葉を返してきた。
陛下に言い過ぎたのは自分でも分かっていたのかもしれない。
「もう一つ食べたら、ちゃんと仕事する……」
「既に三つも食べています。もう十分でしょう」
「最後にイチゴミルクのを食べるって決めてたのよ!」
「だめです」
はっきりと断ると、またソフィアは赤くなって頬を膨らませた。
この飴が彼女の気持ちを緩和するのにどれ程の効果があるのだろう。そう考えながら彼女が最後に食べると決めていたらしい、ピンク色をしたイチゴミルクの飴を自分の口にポンと放り込む。
「あっ!」
舌の上に乗った飴から痺れるような甘さが口の中に広がる。まるで自分が砂糖漬けになっていくような気がした。
よくもソフィアはこんなものを三つも食べられたものだ。今更ながら彼女の味覚に感心する。
「どうしてジェイクが食べるのよ! それは私が食べようと思ってたのに!」
「また後で食べられるでしょう。仕事に戻りなさい」
「それは最後の一つだったのよ?! ジェイクの馬鹿!」
「ちょっと! 返してよ!」
「だめです。食べすぎです。それに、そろそろ仕事に戻ったらどうですか?」
飴の瓶を追ってやっとこちらへ振り向いたソフィアの眉は、まだ機嫌悪く歪んでいる。
はいそうですかと、素直に仕事に戻るとは思っていなかった。しかし意外にも素直に言葉を返してきた。
陛下に言い過ぎたのは自分でも分かっていたのかもしれない。
「もう一つ食べたら、ちゃんと仕事する……」
「既に三つも食べています。もう十分でしょう」
「最後にイチゴミルクのを食べるって決めてたのよ!」
「だめです」
はっきりと断ると、またソフィアは赤くなって頬を膨らませた。
この飴が彼女の気持ちを緩和するのにどれ程の効果があるのだろう。そう考えながら彼女が最後に食べると決めていたらしい、ピンク色をしたイチゴミルクの飴を自分の口にポンと放り込む。
「あっ!」
舌の上に乗った飴から痺れるような甘さが口の中に広がる。まるで自分が砂糖漬けになっていくような気がした。
よくもソフィアはこんなものを三つも食べられたものだ。今更ながら彼女の味覚に感心する。
「どうしてジェイクが食べるのよ! それは私が食べようと思ってたのに!」
「また後で食べられるでしょう。仕事に戻りなさい」
「それは最後の一つだったのよ?! ジェイクの馬鹿!」