身代わりペット
課長の涙
課長が、泣いて…る……?
「ど、どうしたんですか!?」
これはどう言う状況なのか分からなくて、私は慌てた。
「あ……いや、なんでもないんだ!」
課長が勢いよく立ち上がり、目をゴシゴシと擦って涙を拭った。
「あぁっ!そんなに擦ったらダメですよ!余計に腫れちゃいます!……あ、そうだ」
私は、お昼ご飯が入っているコンビニの袋をガサガサと漁り、買ったばかりのミネラルウォーターを取り出す。
そのミネラルウォーターをハンカチにダバダバとかけて、即席のアイスノンを作った。
「これで冷やして下さい!」
半ば無理矢理それを課長の目に押し当てる。
「あ、あぁ、すまない……ありがとう」
課長は私の勢いに少したじろぎながらも、素直に従う。