身代わりペット
2、3分そのままじっとしていただろうか。
課長が即席のアイスノンを目から外し、何度か瞬きをする。
「……ありがとう。いや、恥ずかしい所を見せちゃったな」
課長がハンカチを私に差し出しながら、照れ臭そうにはにかんだ。
私はそれを受け取り、少し絞ってビニール袋にしまった。
「……どうなさったんですか?」
「いや、本当になんでもないんだ」
私の問に、やっぱり課長は口を閉ざそうとする。
でも、今回は引き下がれない。
こんな場面を見てしまっては、放っておく事なんて出来ないよ。
「でも、こんな所で一人で……心配です。部署のみんなも心配しています。……話してくれませんか?」
大の男が泣くなんて、余程思い詰めているんだろう。
私が力になれる事なんてないのかもしれないけど、話を聞く位なら出来る。
「一人で抱え込まないで、頼って下さい。頼りないかもしれませんけど、私に出来る事があるなら力になりますから!」
「中条……」
私の熱に、課長が凄く驚いている。
嘘は言っていない。
本当に、課長の力になりたかった。
課長が即席のアイスノンを目から外し、何度か瞬きをする。
「……ありがとう。いや、恥ずかしい所を見せちゃったな」
課長がハンカチを私に差し出しながら、照れ臭そうにはにかんだ。
私はそれを受け取り、少し絞ってビニール袋にしまった。
「……どうなさったんですか?」
「いや、本当になんでもないんだ」
私の問に、やっぱり課長は口を閉ざそうとする。
でも、今回は引き下がれない。
こんな場面を見てしまっては、放っておく事なんて出来ないよ。
「でも、こんな所で一人で……心配です。部署のみんなも心配しています。……話してくれませんか?」
大の男が泣くなんて、余程思い詰めているんだろう。
私が力になれる事なんてないのかもしれないけど、話を聞く位なら出来る。
「一人で抱え込まないで、頼って下さい。頼りないかもしれませんけど、私に出来る事があるなら力になりますから!」
「中条……」
私の熱に、課長が凄く驚いている。
嘘は言っていない。
本当に、課長の力になりたかった。