身代わりペット
「そう言えばこないださ…」
「うん?」
食後のコーヒーを飲みながら一息ついた私たちは、何てことないおしゃべりを繰り広げていた。
「受付の……あっ……」
そこまで言って、思い留まった。
そうだ、私の胸だけに留めて置こう、と思っていたじゃないか。
新井麗子が不倫をしていた、なんて確証もないし、簡単に言いふらして良い物じゃないだろう。
「いや、やっぱなんでもない!」
私は慌てて首を振った。
しかし、普段他人の事なんて全く興味のない千歳が、思いの外この話に食いついて来た。
「受付の、なに?なんかされたの?」
少し睨みを効かせて問い詰めて来る千歳に疑問を抱いたけど、私は「なんでもない、なんでもない!」とこの話を切り上げようとした。
そしたら、
「紗月、言い掛けて言わないのは気持ち悪いわよ。言いなさいよ」
なんて言って来るもんだから、私は自分の事は棚上げか!?とちょっとばかりカチンと来て、
「千歳さん?それ、そのままそっくりアナタにお返ししますけど?」
と言ってやった。
「アタシ?アタシはそんな事してないわよ」
「はぁ?」
しれっと何言っちゃってんだコイツは。
『アタシは悪くありません』みたいな澄ました顔でコーヒーを飲んでいる千歳にイラつき半分、呆れてしまって、私は脱力して額に手を当てた。
「……もういいや、この話は止めよう。絶対堂々巡りだから」
「そうね」
ケンカになるのも面倒だし嫌だから、この話は切り上げよう。
折角の千歳の誕生日だ。
私が大目に見てやろうじゃないか。
「で?昨日、今日で変わった事は無かった?」
千歳の言葉に、大目に見てやろうとしていた私の決心は何処かへ飛んで行ってしまった。
「うん?」
食後のコーヒーを飲みながら一息ついた私たちは、何てことないおしゃべりを繰り広げていた。
「受付の……あっ……」
そこまで言って、思い留まった。
そうだ、私の胸だけに留めて置こう、と思っていたじゃないか。
新井麗子が不倫をしていた、なんて確証もないし、簡単に言いふらして良い物じゃないだろう。
「いや、やっぱなんでもない!」
私は慌てて首を振った。
しかし、普段他人の事なんて全く興味のない千歳が、思いの外この話に食いついて来た。
「受付の、なに?なんかされたの?」
少し睨みを効かせて問い詰めて来る千歳に疑問を抱いたけど、私は「なんでもない、なんでもない!」とこの話を切り上げようとした。
そしたら、
「紗月、言い掛けて言わないのは気持ち悪いわよ。言いなさいよ」
なんて言って来るもんだから、私は自分の事は棚上げか!?とちょっとばかりカチンと来て、
「千歳さん?それ、そのままそっくりアナタにお返ししますけど?」
と言ってやった。
「アタシ?アタシはそんな事してないわよ」
「はぁ?」
しれっと何言っちゃってんだコイツは。
『アタシは悪くありません』みたいな澄ました顔でコーヒーを飲んでいる千歳にイラつき半分、呆れてしまって、私は脱力して額に手を当てた。
「……もういいや、この話は止めよう。絶対堂々巡りだから」
「そうね」
ケンカになるのも面倒だし嫌だから、この話は切り上げよう。
折角の千歳の誕生日だ。
私が大目に見てやろうじゃないか。
「で?昨日、今日で変わった事は無かった?」
千歳の言葉に、大目に見てやろうとしていた私の決心は何処かへ飛んで行ってしまった。