身代わりペット
「ただいま帰りました」

「あ、お帰り」

リビングに入ると、コーヒーのいい香り。

課長がキッチンに立ってコーヒーをドリップしていた。

「あ、私、淹れましょうか?」

「いや、もう淹れたから大丈夫。ありがとう」

「そうですか……」

そのまま部屋に戻らず、ふぅ、とソファーに腰を下ろす。

「どうだった?プレゼントは喜んで貰えた?」

スッ…と、目の前に淹れ立てのコーヒーが入ったカップが差し出された。

「あ、ありがとうございます」

カップを受け取り、フーッと表面を冷まして一口すすった。

課長が淹れてくれたのも、美味しい。

「はい。大成功でした。『なんで欲しい物が分かったの?』ってビックリされちゃって」

「そうか。それは良かったな」

「はい……」

「ん?どうした?何かあったのか?」

「あ、いえ。何も……」

私の気のない返事に、課長が首を傾げる。
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