身代わりペット
しんみり一人、思い出に浸っていると、またわぁっ!と歓声が上がって顔を上げた。
そこには観覧車をスクリーンに、花火の映像が映し出されていた。
プロジェクションマッピング、と言うやつだ。
色とりどりの花火が打ち上げられ、パラパラと落ちて行く火の粉一粒一粒までもが綺麗に再現されている。
「キレイ……」
「ホントだな」
最後の花火の映像が流れ終わると、どこからともなく拍手が起こった。
私達もそれに習って拍手を贈る。
「さて、帰ろうか」
「はい」
「もう時間も遅いし、なにか食べて帰ろう」
「はい!なにが良いですかね」
「そうだな。ここだとお寿司が美味しいお店が近くにあったハズ」
「お寿司!食べたいです!!」
「じゃあそこにしよう」
「はい!楽しみだなぁ。……あ、課長」
「どうした?」
「最後に、園内一周しませんか?そんなに広くないから時間もかからないし」
なんだかこのまま帰るのが名残惜しくなって、私は課長に言った。
突然の提案に、課長は嫌な顔ひとつせず、二つ返事でオーケーしてくれる。
「良いよ」
「ありがとうございます」
「あ、お化け屋敷にでももう一回入るか?」
課長がニヤニヤしながら私の脇腹を突いた。
「……メリーゴーランドにもう一回乗りますよ?」
「ごめんなさい。すみませんでした。勘弁して下さい」
「よろしい」
私たちは他愛もない話をしながら園内を一周し、お化け屋敷に入る事も、メリーゴーランドに乗る事もしないで遊園地にお別れを告げた。
そこには観覧車をスクリーンに、花火の映像が映し出されていた。
プロジェクションマッピング、と言うやつだ。
色とりどりの花火が打ち上げられ、パラパラと落ちて行く火の粉一粒一粒までもが綺麗に再現されている。
「キレイ……」
「ホントだな」
最後の花火の映像が流れ終わると、どこからともなく拍手が起こった。
私達もそれに習って拍手を贈る。
「さて、帰ろうか」
「はい」
「もう時間も遅いし、なにか食べて帰ろう」
「はい!なにが良いですかね」
「そうだな。ここだとお寿司が美味しいお店が近くにあったハズ」
「お寿司!食べたいです!!」
「じゃあそこにしよう」
「はい!楽しみだなぁ。……あ、課長」
「どうした?」
「最後に、園内一周しませんか?そんなに広くないから時間もかからないし」
なんだかこのまま帰るのが名残惜しくなって、私は課長に言った。
突然の提案に、課長は嫌な顔ひとつせず、二つ返事でオーケーしてくれる。
「良いよ」
「ありがとうございます」
「あ、お化け屋敷にでももう一回入るか?」
課長がニヤニヤしながら私の脇腹を突いた。
「……メリーゴーランドにもう一回乗りますよ?」
「ごめんなさい。すみませんでした。勘弁して下さい」
「よろしい」
私たちは他愛もない話をしながら園内を一周し、お化け屋敷に入る事も、メリーゴーランドに乗る事もしないで遊園地にお別れを告げた。