身代わりペット
とりあえず土下座を止めさせて話を聞こうとしたんだけど、課長は午後から大事な商談があるって言うし、私も午前中で終わらなかった仕事が溜まっていたしで、その場はひとまず解散になった。(その時の課長はめっちゃ元気になっていた)
午後から凄く忙しくて、課長の『ペットになってくれ』発言も忘れかけていたんだけど、終業のチャイムが鳴った途端、お疲れさまもそこそこに課長に首根っこ掴まれてこのマンションに連れて来られた。
で、今に至る訳なんだけど。
……なんだけど、なんて切り出せば良いの!?
横に立って夜景を眺めながらコーヒーを飲んでいる課長は、とてもじゃないけど部下に『ペットになって下さい』なんて発言をする様には見えない。
やっぱり私の聞き間違いか何かじゃないのかと思えて来る。
グルグル考えていると、「中条?」と、いつの間にかソファーに腰を下ろしていた課長に呼ばれて振り向いた。
「は、はい!」
「そんな所に突っ立っていないで、こっちに座ったらどうだ?」
課長が自分の座っている横をポンポンと叩いた。
「あ、は、はい……」
促されるまま課長の横に座る。
だからと言って何かを話す訳でもない。
聞きにくいから課長から切り出してくれるのを待っているのに、課長も何にも言わないから二人で黙ってしまった。
シーン…とした部屋に秒針の音が妙に響く。
午後から凄く忙しくて、課長の『ペットになってくれ』発言も忘れかけていたんだけど、終業のチャイムが鳴った途端、お疲れさまもそこそこに課長に首根っこ掴まれてこのマンションに連れて来られた。
で、今に至る訳なんだけど。
……なんだけど、なんて切り出せば良いの!?
横に立って夜景を眺めながらコーヒーを飲んでいる課長は、とてもじゃないけど部下に『ペットになって下さい』なんて発言をする様には見えない。
やっぱり私の聞き間違いか何かじゃないのかと思えて来る。
グルグル考えていると、「中条?」と、いつの間にかソファーに腰を下ろしていた課長に呼ばれて振り向いた。
「は、はい!」
「そんな所に突っ立っていないで、こっちに座ったらどうだ?」
課長が自分の座っている横をポンポンと叩いた。
「あ、は、はい……」
促されるまま課長の横に座る。
だからと言って何かを話す訳でもない。
聞きにくいから課長から切り出してくれるのを待っているのに、課長も何にも言わないから二人で黙ってしまった。
シーン…とした部屋に秒針の音が妙に響く。