身代わりペット
「あ……」
いた。
そこは、エアコンの室外機やら色々な機械が置いてある隅の所で、入り口からは死角になる場所だった。
余程の事が無い限り、こんな所には誰も来ない。
課長は、何台もの機械の間に挟まる様に、こちらに背を向けてしゃがんでいる。
「課長?探しましたよ。こんな所でなに……」
私の声に、課長は『ビクッ!』と肩を震わせて振り向いた。
「なか、じょう……?」
振り向いた課長は、私の姿を見て目を見開いてる。
その大きく見開かれた目は、真っ赤に腫れていた。
課長は、泣いていた。