哀しみの最果て
日野はキーボードを打つ手をとめると同時にプリンター機が唸りを上げ始めた。


「いえ、昨日頼まれた件の報告書だけ作っておきたかったので午後から出勤しました。」


そう言うと印刷された紙を宮部に渡す。


「なるほど。悪いね。でも、昨日だって事務所戻ってこなかったって事は結構遅くまで調査してくれてたんでしょ?」


「別に大した事じゃないですよ。それより、渡良瀬会のほうはうまくいったんですか?」
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