哀しみの最果て
「おいおい。翔。お前が一番よくわかってるだろ。あそこの会長がお前の親父さんの幼馴染なんだから。」


確かに、宮部が小さい頃から父親を通して食事をしたことも何度かあった。


だが、それだけのことだ。今回の件はこれ以上深入りするべきではないか?という疑念が宮部の胸中に生まれ始めていた。


「鉄っちゃんありがとう。ちょっと事務所戻って整理してみるわ。」


「おう。またなんかあれば気軽に寄って来いよ」


宮部は重い足取りでエレベータへと乗った。

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