俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
(悩んでる暇はない。全力で塔子の気持ちを取り戻す)

そこからの大輔の行動は早かった。
ありとあらゆる機会を利用した。

強引だとわかっていても、塔子に意識させるためにこれでもかと攻めた。

塔子にキスを拒否されなくなったことが嬉しかった。

愛しい。好きだ。そんな気持ちしかなかった。

塔子が喜ぶだろうと思う事はなんでもした。
しかし、塔子の気持ちが動いている自信は全くなかった。

ルールもモラルも捨て、塔子にもう一度自分を意識してほしかった。

樋口の仕掛けてくる、解りやすい牽制にすら、大輔は正気を保つのがやっとだった。
あのBARでも、樋口に殴り掛かりそうなのを何とか抑えた。

なのに…。

大輔はBARでのあの塔子の笑顔を見て、絶望に追いやられていた。
女といるところを見ても、微笑む塔子は俺に気持ちはない……。
10年は取り戻せない。
< 104 / 147 >

この作品をシェア

pagetop