俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「昔……。私の気持ちはただの憧れで、妹だって言ったよね……」
不安そうに聞いた塔子に、大輔は優しく微笑んだ。
「ああ、言ったな。俺もまだ子供だったし、親父に言われた言葉を素直に受け入れた」

「おじさまの言葉?」
塔子は、驚いたように顔を上げた。

「親父に……今のお前じゃ塔子の未来を潰すって……塔子を自由にしろって」
心痛な面持ちで言った大輔の言葉に、塔子もどんな言葉を言っていいかわからず言葉を濁した。

「そう……」

「でも、あの時の俺は高校生のお前を連れて、東京に行ける訳もないし、お前の気持ちがただの憧れじゃなか……って思ってた。塔子は勉強もできたし、まだまだ未来があるって。だからお前を遠ざけた。でも、最後まで気持ちがあったから、完全にお前を開放してやれなかったよな。中途半端にお前を縛ってた」

「それで、こないだ謝っていたの?」

塔子はゆっくりと聞いた。
「ああ。本当に塔子モテてたんだぞ。自覚ないのはお前ぐらいだろ?俺が早く解放してやれば、同じ年の彼氏もできただろうに……ってずっと思ってた」
大輔は申し訳なさそうに、塔子の瞳を見つめてため息交じりに、言葉を発した。

「あの頃の、お前が俺の事を好きな気持ちより、俺が塔子の事を好きな気持ちの方が大きかったと思うよ」
そう言うと、大輔は苦笑した。


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