俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
大輔は、腕の中で気持ちよさそうに寝息を立てる塔子を見ていた。

今まで、あと腐れのない相手と、適当に付き合ってきた。
もちろん、終わったら一緒に眠るような事はなかった。

『もう帰るの?』
何度このセリフを聞いただろうか。
『朝まで一緒にいて…。』
そんな相手に、
『朝までいたら、君を好きになってしまうから。』
自分でもよく、こんな言葉を言っていたと笑えてくる。
秘書の仮面は驚くほど自分を作ることができた。
いつしか、本当にこれが自分だと思い込んでいた。

塔子に再会するまでは…。

これでもかと愛し、そのまま抱きしめて眠る。
それがこんなに幸せな気持ちを与えてくれることを今まで知らなかった。

(- さあ、ようやく手に入った。本当にこれからの人生を頂くから。)

「覚悟しろよ。塔子。もう逃がさない。」
大輔は、眠っている塔子にそう呟き、ぐっすり眠っている塔子の鎖骨の上に赤い印をつけ抱きしめると、ゆっくりと目を閉じた。
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