俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「塔子、夏まつり行こうか?」
ぼんやりと大輔と縁側に座っていた塔子は、大輔の言葉に、振り返り、盛り上がる両親たちを見た。


「あっ、今日だっけ……そうだね。お母さんたちも4人で盛り上がってるみたいだし。行こうか」
フフッと微笑んで言った塔子の返事に、

「ちょっと塔子と祭りいってくるわ」

「いってらしゃーい」
陽気に答えた母たちに苦笑しながら、二人は外に出た。

「懐かしいね。この道」

「懐かしいな。いつも一緒に学校いったな」
そんな道を2人は手をつないで歩いていた。
「なんか、大人になって、手をつないでこの道って照れるね」

「確かにな」
小さなころも大輔に手を引かれてよくこの道を歩いたな……そんな事を塔子は思い出しながら、懐かしい風景に目を向けた。

「だいちゃん、だいちゃんって煩かったよね……。こないだ、友里に言われたんだ。みんな引いてたって……」

その言葉に大輔は噴出した。

「引いてたんだ……お前の友達」

「それぐらい、バカみたいに毎日だいちゃん好きとか言ってたんだろうな」
昔の自分が可笑しくて、塔子はクスクスと笑った。

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