俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
その後、なんとか仕事をこなして時計を見ると、20時を回っていた。

「塔子、お前まだいたのか?もうお前だけだろ?」
あれ以来普通に接してくれる晃に感謝しつつ、塔子は笑顔を向けた。

「今日中に今日の案件まとめたくて。でももう終わる」

「そうか、今日は大手の大切な商談っていってたな。お疲れさん」

優しく言われた晃に言葉に、ようやく気を張り詰めていた塔子はホッと息を吐いた。


「……どうした?」

「え?」

晃の問いの意味が解らず、塔子は聞き返した。

「なんか……なんていうか……いつもの塔子と違う気がする」

その言葉に、塔子は言葉に詰まった。

(かなわないな……でも、晃にこんな悩みを言うのはダメだよ)

「そう?何もないよ」

「嘘つけよ。……千堂室長と何かあったのか?」

的確な指摘に塔子はまた返答に困った。

「何かあった訳じゃないんだけど……」

「けど?」

「ああ、うんん!なんでもない何でもない」
笑顔を向けた塔子を見て、晃はクスリと笑うと塔子の隣に座った。

「なあ、塔子。俺らいい友達だろ?俺に気を使うなよ。話してみろよ?」

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