俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
塔子は晃の言葉に、ジッと考えてから言葉を発した。

「私と千堂室長って、私が生まれてから15年ぐらい一緒にいて、それから10年離れてたんだよね……」

「ああ……」

「ねえ、これ見て?」
塔子はおもむろにスマホを操作すると、一枚の写真を晃に見せた。

「これね、こないだ本当に久しぶりに実家に帰ってアルバムを見て、懐かしくて写真を撮っちゃたんだけど」


そこには、ニコニコと笑い可愛らしく髪にリボンをつけて淡いピンクのワンピースを着た塔子の姿があった。

「これ塔子だよな?」
あまりにも今とは雰囲気の違う塔子に、晃も困惑したような表情をした。

「そう。昔の私ってこんな感じだったの」
苦笑しながら自分でもその写真を見つめると、塔子は小さくため息をついた。

「それがどうして悩みになるんだ?」

「千堂室長にね、このころから好きだったって言われたの」

「よかったじゃないか」
晃は更に困惑したような表情を見せた。
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