俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「私としては今の自分が大人になったから好きになってもらえたって思ってたのね。あの頃の自分は子供過ぎたから好きになってもらえなかった、そう思っていたから、今みたいな自分になるように努力してきたの」
晃も言いたい事がなんとなくわかり、ジッと塔子を見た。
「今日、千堂室長の元カノを見ちゃって……」
「え?」
「たまたま女の子同士の会話が聞こえちゃって。昔の私みたいな可愛らしい女の子だった。今の私とは全く逆の」
自嘲気味な笑みを見せて、塔子は言うと「ごめん……」と小さく呟いた。
「何が?」
「やっぱり晃にこんな話……私は大丈夫だから」
ニコリと微笑んだ塔子に、晃は考えるような仕草をした後、
「なあ、塔子は塔子だろ?俺は昔のお前は知らないけど……。人を好きになるのってかわいいとか、雰囲気とかそう言う事じゃないと思うぞ。それは千堂室長だって同じだと思う」
晃の言葉に、塔子は微笑むと、
「晃、ありがとね」
そう言うと仕事を片付け始めた。