俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「なあ、塔子が言ってた元カノってあのこ?」
状況を把握した晃は小さくため息をつくと、塔子を見た。

「うん……」
「お前が彼女だろ?何を遠慮してるんだよ。仕事ならあんなにガンガン行くのに。私の彼なの!ぐらい言えばいいだろ?」

「そんなこと!……言えるわけないよ……」
俯いた塔子の頭をポンと叩くと、
「こんな事じゃ俺が付け入るぞ……」
ぼそりと言った晃の言葉が聞こえず、塔子は「え?」と晃の顔を見た。

「なんでもないよ。飲みにでもいくか?」
晃の誘いに塔子は首を振ると、
「ありがとね。ごめんみっともない所見せて。帰ろう」

「わかったよ。何かあればいつでも聞くからな」
晃の優しさに塔子は、小さく頷くと二人も会社を後にした。

家に帰ると、大輔からメッセージが入っていたことに気づき、恐る恐る塔子はスマホを操作した。

時間はちょうど塔子が美里と大輔を見かけた少し前だった。

【今日少し予定があるから行ってくるな】

(予定ね……)

やましい事がないから、会社で待ち合わせをしたのか、大輔の考えていることが分からなかった。
大輔が浮気をするとは思ってはいないが、やはり今の自分にも自信が無かった。
大輔はもともと可愛らしい女の子が好きなんじゃないのか……。そんな気持ちを押し殺して塔子はスマホに指を滑らせた。

了解スタンプだけを押すと、ポンとベッドにスマホを投げ捨てた。







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