俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「鍵早く出して?」
千堂は命令口調で言った。

「嫌です!なんで…。」

「いいから、早く!俺が入ったらまずい事でもあるのか?」
昔と変わらない、ごく稀に言われる命令に塔子は逆らえなかった。

(- ずるい…。)

しぶしぶ塔子は鍵を開け電気をつけた。

柔らかな、茶色のフローリングに、落ち着いたグリーンがたくさん置かれたリビングが広がった。

「入るぞ。」
特に表情を変えずに言った千堂に、
「いつも、そんな簡単に女の部屋に入るんですか?千堂室長。」

「塔子の部屋は女の部屋じゃない。」
その言葉に、塔子の胸はぎしっと音を立てた。

(- こうやって知らず知らずにあたしを傷めつける。だから一緒にいたくないのに。)

「そうですか。」
半ばあきらめたように言った塔子に、千堂は追い打ちをかけた。

「この家は、セキュリティが甘すぎる。」
そう言って、仕事部屋になっている部屋のドアを開けた。

「週末には、この部屋に俺の荷物置くから。」

「はっ??」
あまりの言葉に塔子は言葉を失った。

「何かまずい事でもあるのか?」

「あ、あるに決まってるじゃない!なんで、一つ屋根の下に、彼氏でもない男と一緒に住まなきゃいけないの?!」

「俺がいる以上、家に男を連れ込むのは禁止だ。男がいるとしても、きちんと節度をもった付き合いをしろ。」

塔子は開いた口がふさがらなかった。
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