俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「関係あるよ。この件で何か連絡しないといけないかもしれない。嫌なら別に総務に聞くからいいけど。」
表情をまったく変えずに涼しい顔でもっともらしく言う千堂を、塔子は唖然として見た。
「ねえ、何を考えてるの?」
塔子は静かに言った。
「何って?」
千堂は、片腕を付き、そこに顎をのせたまま気だるく塔子を見た。
秘書の千堂の顔は全くなかった。
塔子はなぜか、昔の大輔のキスシーンを思い出した。
「今更なんであたしに構うの?」
「また、出会ったから。」
まっすぐな瞳で塔子を見た。
塔子の心の箱の蓋がまた大きく音を立てた。
何も言えない塔子に、
「携帯出して。」
ざわつき出した自分の心を冷静に保てなくなり、塔子はそろそろと携帯をテーブルに置いた。
「ロック解除して?」
解除された携帯を千堂は操作すると、自分の連絡先を入れ、自分の携帯にも塔子の連絡先を入れると、携帯を塔子のもとに戻した。