俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「そんな……」
なんとかそう言った塔子に、大輔はコップをガンと音を立ててを置くと、テーブルのむこうから身を乗り出し、塔子の後頭部を引き寄せると、唇が触れそうなところでもう一度塔子に尋ねた。
「もう一度、聞く。俺は誰だ?」
「だって……今は室長でしょ……今は……。もう昔とは……」
そこまで言うと、大輔の瞳が苦し気に歪んだ。
「今俺は室長じゃないんだよ」
そう言うと同時に、塔子の唇は塞がれていた。
苛立ちをぶつけるような激しいキスの意味が解らず、塔子の瞳から涙が浮かんだ。
(ねえ……なんで?どうして?)
ずっと昔にしてほしかったキスをこんな簡単にする大輔にも、そしてこんなキスでも嫌ではない自分に苛立った。