俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「では、20時に店を予約したので、19時45分にエントランスにきていただけますか?」
心の中はザラリと砂をぶちまけたような、嫌な気分だったが、それでも微笑を浮かべた千堂から目が離せなかった。
(こんな柔らかく笑う人だった?)
「わかりました。ありがとうございます」
「後ほど」
作り笑いなのか、板についた笑顔なのか、その秘書室長の千堂は初めて見るような表情を浮かべていた。
そんな千堂の言葉に返事をすると、塔子は出て行く千堂を見送った。
(さあ、早く戻らなきゃ)
昔に嫌でも引き戻されそうな思考を、無理やり仕事に切り替えると、塔子は急いで自分のデスクへ向かった。
「片桐主任!どうでした?」
「契約とれたわよ」
塔子の戻りを待っていたように、目を輝かせた部下たちの言葉に、ようやく塔子も主任としての顔に戻ることができた。
「さすがですね!」
「じゃあ部長に報告してくるね」
(これからの事を話して処理は明日にしてもらおう)
塔子はそう考えると、部長のデスクへと向かった。
「よくやってくれたね。片桐君」
「いえ、社長が同行されているので……私の力ではありません」
「それでも、お手柄だよ」
「ありがとうございます。これから社長にお食事に誘われまして……」
「そうか!ぜひ行っておいで」
塔子は優しい小野寺部長の声に少しほっとした。
「ありがとうございます。では失礼します」
心の中はザラリと砂をぶちまけたような、嫌な気分だったが、それでも微笑を浮かべた千堂から目が離せなかった。
(こんな柔らかく笑う人だった?)
「わかりました。ありがとうございます」
「後ほど」
作り笑いなのか、板についた笑顔なのか、その秘書室長の千堂は初めて見るような表情を浮かべていた。
そんな千堂の言葉に返事をすると、塔子は出て行く千堂を見送った。
(さあ、早く戻らなきゃ)
昔に嫌でも引き戻されそうな思考を、無理やり仕事に切り替えると、塔子は急いで自分のデスクへ向かった。
「片桐主任!どうでした?」
「契約とれたわよ」
塔子の戻りを待っていたように、目を輝かせた部下たちの言葉に、ようやく塔子も主任としての顔に戻ることができた。
「さすがですね!」
「じゃあ部長に報告してくるね」
(これからの事を話して処理は明日にしてもらおう)
塔子はそう考えると、部長のデスクへと向かった。
「よくやってくれたね。片桐君」
「いえ、社長が同行されているので……私の力ではありません」
「それでも、お手柄だよ」
「ありがとうございます。これから社長にお食事に誘われまして……」
「そうか!ぜひ行っておいで」
塔子は優しい小野寺部長の声に少しほっとした。
「ありがとうございます。では失礼します」