俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「塔子、コーヒー入れてくれる?」
キッチンで食器を洗い終わった塔子に向かって、大輔は言った。
「うん。」
塔子はチラっとソファで仕事をしている大輔を見た。
コーヒーメーカーに豆をセットし、ボタンを押すと部屋中にコーヒーの香りが充満した。
塔子はそれをカップに注ぐと、コトンとテーブルに置いた。
「サンキュ。」
大輔はそれだけ言うと、パソコンに目を向けたままコーヒーカップを手に取った。
塔子は、小さく息を吐くと、キッチンに戻り自分のコーヒーを入れて、大輔の仕事の邪魔にならないよう、縁側に座ると庭を眺めながらコーヒーを飲んだ。
(- あ、今度あそこに花植えようかな…。野菜じゃ色気ないしな…。)
そんな事を考えながら、庭を見ていると、ふっと視界が暗くなった。
一瞬、唇が温かくなった。
そして、横に気配を感じた。
「さっき、千堂主任って言いかけたから。」
そういうと、イジワルそうな笑顔の大輔の瞳とぶつかった。
(- もう!)
「ここ、落ち着くな…。」
大輔は塔子の横に座ると庭を眺めた。
塔子はその声に、キスの事は特に言うのをやめた。
「でしょ。だからこの家に決めたの。まあ、確かにセキュリティはイマイチと言えばそうだけど。だいちゃんはマンション?」
「ああ。ずっと箱の中にいたから、なんかこの雰囲気は新鮮だ。」
「箱の中って……」