俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「チケット買ってくるから、待ってろ」
「あ!お金!」
慌てて財布を出そうとした塔子に、

「いいよ、そんなの」
大輔はクスリと笑うと、スルリと塔子の横を通りすぎた。

(デート……みたいじゃない……)

そんな事を思いながら、塔子はぼんやりと大輔を見送った。

周りの女の子が必ずといっていいほど、大輔をみて振り返る。
デニムにTシャツに薄手のジャケットというシンプルな装いが更に大輔のスタイルと、キレイな顔を引き立てているようだった。

「どうした?行こうか」
いつのまにかチケットを購入して、戻ってきた大輔に当たり前のように手をつながれ塔子はドキっとした。

「なあ、塔子!お前あれが見たかったんだろ?」
大輔はショーのスケジュールを指さしながら塔子に尋ねた。

「そうそう!ずっと見たかったの。イルカショー!」

「本当に水族館好きだな。ショーの時間まで他を見てこようか」
大輔は、塔子の手を引きながら魚の水槽を指さした。

「いつか、和歌山の水族館も行ってみたいな……」

「あー、あそこもショーがすごいってお前騒いでたな」
魚を見ながら呟いた塔子に、大輔は思い出したようにクスクス笑った。

「あっ、また子供扱いしたでしょ」
軽く睨んだ塔子に、大輔は優しく微笑んだ。
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