俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
(その笑顔はずるいよ)

そんな事を思いながらも、塔子は水族館を楽しんでいた。


「あー、楽しかった。やっと来れたよ!だいちゃんありがとう」
塔子は大満足で、満面の笑みを浮かべた。

「どういたしまして。喜んでくれてよかった。軽く飯食って帰ろうか?近くに美味しいイタリアンあるんだよ」

「うん」

(誰かと来たのかな……)

ふと感じてしまった小さな胸の痛みを、塔子は気づかないふりをした。

大輔の言うように、そのイタリアンは海鮮をつかった前菜をはじめ、パスタもピザもどれもが絶品だった。

「ごめん、だいちゃん、飲めなくて」
塔子は大輔が頼んでくれたワインに口を少しつけて言った。

「別にいいよ。帰ったら飲むから」
大輔は、ピザを手に取りながら言うと微笑んだ。

「ありがとう」
塔子は素直にお礼を言うと、食事を楽しんだ。

食事を終え、ほろ酔いで塔子は大輔の車から見える風景をぼんやりと見ていた。

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