俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
また、視界が暗くなったと思ったと同時に、咥内をゆっくりと這い、塔子の舌をゆっくりと絡めとると、わざと水音を立てるように、大輔は塔子にキスを続けた。
漏れる塔子の甘い声と、その音に塔子は完全に理性が飛びかけた。
「だい……ちゃ……」
その時、携帯のバイブ音と共に、上にいた大輔の胸ポケットから携帯が滑り落ちた。
塔子は無意識にその携帯に目をやった。
『美樹』
その文字を見て、塔子は我に返った。
(私何してるの!?)
ドンと大輔を押すと、目を逸らして早口にまくしたてた。
「嫌だ……これもお仕置き?またしたかっただけ?なんとなく?」
塔子は、動揺を必死で押さえながら言った。
「帰る……」
「塔子!」
塔子はカバンを持つと、走って玄関を走って出た。追いかけてきた大輔の手を振り払うと、来ていたエレベータに乗り込み、閉のボタンを強く何度も叩いた。
目の前で閉まるドアの前で、大輔の慌てた顔を見たが、マンションを出てタクシーに乗り込むと無我夢中で家へと帰った。
(もう、訳が分からない)
ずるずると玄関に座り込むと、しばらくそこから動くことができず、塔子はさっきの携帯電話の文字が頭を占拠した。
(だいちゃんがわからない……。どうして?どうして私に構うの。今更じゃない……)