俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
(やばいな……23時回った…終電間に合うかな……)
パソコンの数字と英単語を見ながら、塔子はため息をついた。

(頭……痛いな……。でも、今週中にこれやっておかないと……)
そう思いながら、パソコンの画面を見つめた。

しかし、少し頭を振ると、
(明日、休日出勤の方が効率いいかも……)

朦朧としてきた意識の中、どうしようかと試案しているところに、

「おい、まだやってたのか?」
驚いたような声が静かなフロアに響いた。

「今日、調子も悪かっただろ?」
続けて言われた言葉に、その声の主の方を塔子は見た。

「晃……」

その姿を確認すると塔子は声にした。

「おい、ホント顔色悪いぞ。送って行くからもうやめろよ」
晃は塔子の側に来ると心配そうに見つめた。

「うん……。そうだね。明日来ようかな……」
塔子もあまりの頭痛に諦めたように席を立った。

「大丈夫か?」

「うん。ありがと。大丈夫だから」
塔子は、あくまで表情を変えずに答えた。

しかし、頭痛はひどくなっていくばかりだった。

「タクシー止めてくるからここで待ってろよ」
1Fのエントランスに降りると、晃は塔子に向かって言った。

「晃……大丈夫だから。帰って……」

「そんな訳に行かないだろ……」
呟くように言った塔子に、そう言い残すと、晃は大通りに向かって歩き出した。


「塔子」
塔子は、頭痛のする中、不意に後ろから聞こえた声の主を探した。
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